【ITスクール講師が語る】思い出の卒業生「選ばなかった道を後悔しないように」

何か新しいことを始めようと思っているとき、「チャレンジしたい」と思う反面、なかなか最初の一歩を踏み出せないでいる人も多くいるのではないでしょうか。

新しいことにチャレンジするのには、大きな不安がありますよね。

そこで今回、この記事では、ITスクール「BasisPoint Academy(以下BPA)」を卒業し、実際にプログラマーとして就職したSさんをご紹介します。

Sさんはキルギスから来た女性で、行動力決断力が素晴らしい方でした。

なぜSさんは母国を飛び出し、言語も違う日本に来て、IT職を目指したのでしょうか?

これから新しい道へ踏み出そうとしている人の参考になるので、ぜひご一読くださいね。

日本で色々な技術を学びたい!

中央アジアに属し、中国やカザフスタンと隣接する場所にあるキルギス共和国からやってきたSさん。

なぜ、なぜ来日を決意したのでしょうか?

Sさんが語るには、キルギスにいたときにテレビで流れた日本の紹介映像を見て惹かれたのだそうです。

Sさんの目には日本という国がITの先進国のように映り、そこで初めて「日本で色々な技術を学んで、将来に役立てたい」と思いました。

来日すると、初めはIT技術を身につけるためにとあるIT専門学校に通っていたそうです。

しかし、そこでは自身の求めるレベル(プロレベル)のIT知識が身につきにくいと感じました。

「早くスキルを身につけて、IT企業に就職したい」

「このままでは駄目だ」

このように思ったSさんは、すぐに当初通学していた専門学校に加え、BPAにダブル入学することにしました。

BPAでは、「仕事に活かせる」というテーマのもと、ITスキルや業務ノウハウなどを実践形式で学習することができます。

BPAのコースを修了したSさんは、その後Web制作会社にプログラマーとして就職しました。

Sさんの素晴らしい行動力と決断力

キルギスから日本にやってきて、見事自身の夢であるIT企業に就職したSさん。

その大成功の裏には、2つのすばらしい力が隠されていました。

ものすごい行動力

Sさんは非常に行動力に溢れた生徒でした。

まずは、言葉に関する点

初めて来日したとき、日本語もわからず、日本で頼れる知り合いなど1人もいない状態だったと語ります。

しかも、キルギスの公用語はキルギス語とロシア語で、日本では話者の少ないマイナー言語です。

このように言葉が通じない場所に1人で行こうと思える行動力が素晴らしいですよね。

次に、学習面に関する点

Sさんは初め、沖縄の日本語学校に入学し、その後東京へ引っ越しました。

東京に来てからは外国人向けのIT専門学校に通い、それから夜はコンビニエンスストアでアルバイトをしていたそうです。

しかし先述の通り、その専門学校では理想とする知識や技術を学べないと感じ、もっと質がよく短期間でプロの技術が学べるスクールを探し始めます。

ちょうどその頃、Facebook上でBPAを見つけました。

異国でダブルスクールをこなす行動力も素晴らしいでしょう。

さらに、就職活動に関する点も挙げられます。

Sさんは、Facebookを利用して、母国のキルギスと縁がある日本国内のIT企業を見つけ出しました。

その企業が社員応募をしていないにもかかわらず、なんと直接連絡し、入社の応募をしました。

ちなみにSさんがBPAで専門的に学んだのはインフラ分野。

応募した企業は開発系企業であり、専門とは違う技術分野でしたが、Sさんは怯みません。

先方に溢れる熱意を伝えた結果、企業側から「1から開発スキルを教えるのでぜひ我が社に来てほしい」と言ってもらうことができ、見事内定をゲットしたのです。

決断力

Sさんは、人一倍決断力に優れた人です。

というのも、彼女はBPAの見学に来て、その場で入学を決意したからです。

BPAの受講料は決して安いとは言えません。

すでに専門学校に入学しており、かつ夜間のアルバイトで生活費を賄っているSさんにとっては、決して少ない負担ではなかったはずです。

しかし、彼女の口から出たのは次のような言葉でした。

自分がいいと思ったものは、あとで後悔しないように即断する

なんだかハッとさせられるものがありますよね。

そして、BPAの入学だけではなく、就職活動でも決断力を発揮します。

実は、Sさんが就職を決めた開発系企業の本社があるのは愛媛県です。

現在東京に住んでいることを考えると、普通はためらってしまいそうな移動距離ですよね。

しかし、やはりSさんは怯みません。

すぐに引越しを決断し、なんと2週間後には東京を後にしたのです。

キルギスから沖縄に渡り、その後東京へ。

IT企業で働くために、まずは言語取得から。

そのような「必要な回り道」を率先して繰り返してきたSさんにとって、夢に見たIT企業就職のために愛媛へ移住することは、まったくたいしたことではなかったのかもしれません。

Sさんから学んだこと

SさんがITについて勉強する真摯な姿を間近で見て、私はさまざまなことを学びました。

1つ目は、たとえスキルや経験がなくても、「行動力」さえ何でもできるのではないかということです。

住んでいる土地で学べないのなら、学べる場所まで行けばいい。

言葉が通じないのなら、新しく学べばいい。

入った学校が理想と違ったなら、また1から探せばいい。

求人が出ていなくても、応募して熱意を伝えてみればいい。

このように労力をかけることは、一見遠回りに見えるかもしれません。

しかし、確実に目標に向かっているのならチャレンジする価値はあるのではないでしょうか?

2つ目は、周りなんて気にせず大胆に行動することです。

初めて挑戦することは、どうしても人の目を気にしてしまいがちですよね。

「失敗したらどうしよう」「間違っていたらどうしよう」と思って、萎縮してしまうのです。

実際、私はいつも「自分のやっていることが間違っていて、笑われたらどうしよう」と怯えて、本来の力を発揮できずにいました。

しかし、せっかくチャレンジできる場所にいるにもかかわらず、周囲からの評価を過度に気にするのは非常にもったいないことだと気づかされました。

他者の意見や周りから見える自分を気にせず、なりふり構わず努力できるのはすばらしい。

私も、Sさんのような決断力を自分の生活に取り入れたいと思いました。

最後に

選ばなかった道を後悔しないように、単身来日も、入学も、就職も引越しも、思い立ったらすぐに行動する。

それは非常に素晴らしいことで、なかなか普通にはできないことだと思います。

しかし、世の中にはSさんのように行動力や決断力に溢れている人がいます。

自分が本当にやりたいことから目を背けず、自己肯定するメンタリティの強ささえあれば、誰しも思い描いた夢を見事叶えられるのです。

もちろん、すべての情熱や決断が、すぐに実を結ぶことは稀なことかもしれません。

しかし「自分がいいと思ったものは、後悔しないように即断する」というSさんの言葉は、きっと新しい一歩を踏み出すかを迷っている人に、確実にエールを送ってくれると思います。

初めてのことに挑戦することは難しいでしょう。

ただ、もし状況が許すなら、Sさんのように一度その世界に飛び込んでみませんか? 何事にも挑戦してみると自分自身の新しい可能性や適性に気がつくことができるかもしれません。

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