近年のグローバル化やデジタル化による社会の成長はめざましいものがあり、過去の常識はめまぐるしくアップデートされています。
2007年に『iPhone』がアメリカで発売開始されてからあっという間に12年。驚くことに現在のスマートフォン普及率は84.4%(世帯別、2人以上世帯)となりました。[1]
テクノロジー以外でも、会社の「終身雇用」は終わりを迎えつつあり、残業を極力減らしたり「やりがい」重視の職業が見直されたり、個人の副業が認められてきてもいます。
このようにして、今まで否定されていたものが受け入れるようになり、反対に今までは当然視されていたものが避けられるようにもなりました。
ほかにも国際的に不安なニュースが毎日耳に届くなど、全体的に「不確実性の時代」と呼ばれている今、自分の身にいつ何が起こるかはわかりません。
便利になった反面で不安定化が進む今だからこそ、有益なスキルを身につけて将来をより豊かなものにしていきたいものです。
そこでこの記事では、転職が有利になる即戦力スキルを5つご紹介します。
転職で役に立つ即戦力スキル5選
①英会話
冒頭でも話したとおり、現在はインターネットの普及に伴い、グローバル化が進んでいます。
今まで海外旅行を嗜む人にしか必要なかった英会話も、国内やビジネスシーンで使う機会が増えています。
日本人にとって、発音も文法もまったく異なる英会話は学びにくいと言われていますが、世界共通語である英語には学習する価値が大いにあります。
また昨今ではフワちゃんを筆頭とする人気YouTuberたちが、フィリピンやアメリカへ短期留学したことも話題になっていますよね。
留学に限らず、現在では普通の英会話スクールに加え、スマホ一つでできるトレーニングアプリなども開発されているため、やる気さえあれば誰でも簡単に学習できるようになりました。
英語力はさまざまな業種で重宝します
英語力はさまざまな業種で必要とされ、喜ばれるスキルといえます。
海外の取引先への連絡や、海外出張・赴任などにも柔軟に対処できるからです。
また、IT技術やサイエンステクノロジーの分野の最新情報は、まず英語で発表されることが多いです。
日本語訳が出版されるより前に、ビジネスに関わる上質な情報をいち早く的確に手に入れられる人材は、大小問わず多くの企業で重宝されるでしょう。
②介護士
現代日本は超高齢化社会と言われていますよね。
社会を支える若者(生産人口)が減り、介護やサポートを必要とする高齢者が増えているためです。
そしてこの高齢化は今後も続き、2065年には、高齢者1人をたったの1.3人で支えなければならない時代が来ると言われています。[2]
それに伴い、介護職にますます需要が高まっていくことは明白です。
また仕事のために介護を学ぶことは、将来自分の両親に支援が必要になったときにも役立つでしょう。
介護士のスキルはどこで学ぶ?
各地方自治体が指定している養成機関の講座を受講し、試験に合格することで「介護職員初任者研修」の資格を得られます。
その後、介護職員初任者研修の上位資格に相当する「介護職員実務者研修」を目指すことになります。
以上の二つを取得すると、国家資格である「介護福祉士」の受験資格を得られます。
専門学校や養成所のほかに、ユーキャンやヒューマンアカデミーなどの受験対策講座などもあり、比較的習得しやすいスキルだと言えるでしょう。
③看護師
2019年の終わりごろに突然起こり、現在も続いている社会情勢の不調。
それらが拡大するなかで、私たちは改めて医療従事者の素晴らしさとありがたさに気がつきました。
しかしその一方で、医療現場における看護師不足は看過できない局面を迎えているようです。
超高齢化社会が進む日本では、看護師のニーズがますます上昇しています。しかし看護師の離職率(正規雇用の場合)は10.7%と、非常に深刻です。[3]
介護士と同じように、仕事としての需要に応え転職の幅を増やすほか、自身や知人に健康問題が起きたときに助けるためのノウハウを得られると思うと、比較的目指しやすいスキルだと言えるでしょう。
しかし、数年単位でじっくり学ぶ必要があるため、すぐに力を身につけたいと考えている人にとっては少し難しい資格かもしれません。
看護師のスキルはどこで学ぶ?
看護師になるためには、看護学校か専門学校の講義を受け、資格を取る必要があります。
看護師国家試験に晴れて合格すると、厚生労働省より看護師免許が交付され、看護師として働けるようになります。
④通訳・翻訳
現在は残念ながら、時勢の変化に伴い海外からの旅行客が減少しています。
しかし、また時代が明るくなれば、インバウンド拡大が期待できるでしょう。
この待機期間のうちに、自分と他国籍の人を繋ぐ通訳や翻訳スキルを身につけておくと、国際交流の場で活躍できるかもしれません。
ちなみに、日本に訪れる外国人の数は、全体の7割以上を東アジア諸国の人が占めていることをご存知でしょうか。[4]
そのため英語以外にも、中国語や韓国語などを覚えてみるのも良いかもしれません。
通訳・翻訳のスキルはどこで学ぶ?
通訳・翻訳のスキルは、英会話と同様に専門学校や通信講座で学べます。
「日本外国語専門学校」に代表される専門学校には、2年かけて英語通訳・翻訳をじっくり学べる「英語通訳翻訳科」などが設置されています。
また現在、プロの通訳士・翻訳士として活躍している人のなかには、いずれの教育機関にも頼らず就職した人もいることから、学び方次第では独学でなることも可能です。
ただ英語をはじめ、情報の言語間伝達として正確性を問われる通訳・翻訳業務をするための言語は、ちょっとやそっとの勉強で習得するのは難しいでしょう。
⑤ITスキル
テクノロジーは日々進化していき、現在は人工知能や高精度のコンピュータが数多の注目を集めています。
なかでも今まで人の手でやってきた仕事がすべて、高い思考力を持ったコンピュータに取って代わられるというニュースには、多くの人が不安を感じたのではないでしょうか。
オックスフォード大学の研究によると、今後10~20年のあいだで702職種の内、米国の総雇用者の約47%分もの仕事が自動化されるリスクがあるそうです。[5]
これは米国から太平洋を隔てた先にある日本でも同様に起こり得るでしょう。
そんな時代で自分のポジションを守るためにベストな選択は、それらテクノロジーを提供する側に就くこと。
IT業界にはまだまだ開発の余地や運用のための改善点など、人が技術を施すところが多く残っているため、今からITスキルを学んでおけば必ず役に立つでしょう。
ITスキルはどこで学ぶ?
ITスキルは、独学ではもちろん、通信講座やWebサイト、養成スクールなどさまざまな方法で学べます。
とくにオンラインITスク―ルでは、仕事をしながら自分のペースで学習を進められるので、残業が多くなかなかスキルアップのための時間が取れない会社員の人でも無理なく技術を身につけられるでしょう。
また通信講座やWebスクールでは、学校へ足を運ぶ必要がありません。そのため「密」が危ぶまれるような時期でも、時間を有効に、安全に学習できるところが魅力的です。
ITスキルにはどんな種類がある?
IT系のスキルには、ITパスポート、基本情報技術者試験などの国家資格に分類されるものと、PHP技術者認定試験のような民間資格があります。
国家資格には、経済産業省が決めたIT人材スキル体型に基づいてレベルが決められています。レベルが上がれば上がるほど専門性が増し、取得が難しくなるため、はじめはLV1のITパスポート取得を目指してみるとよいでしょう。
IT・エンジニア系はリモートワークやフレックスタイムなどの、個人のペースを大切にした働き方が選びやすい職業なので、男性だけでなく女性もスキルアップを目指してみてはいかがでしょうか。
最後に
英会話、翻訳・通訳、介護士、看護師、そしてITスキル。一度身につけると仕事だけでなく日常生活すら豊かにしてくれるような魅力的なスキルが多くあります。
しかしキャリアアップと考えると、もっとも効果的なのはITスキルと言えるのではないでしょうか。
2017年に発表された新学習指導要領の適用により、2020年度からは小学校教育にプログラミング学習が組み込まれました。
そのため数年先には今まで以上に、ビジネスで成功するためにはITスキルの取得が前提となるでしょう。
人工知能やコンピュータが普及していく様をただ眺めて、享受するだけではもったいない。
折角なら、自分が提供するポジションに立ってみるのはいかがでしょうか。
そのためには根気よく学習するための時間と覚悟が必要ですが、現在はITスクールも充実しており、効率的なIT学習の現場が整っています。
IT業界は、自分が思っているほど参入障壁は高くありません。
ぜひ一度、ITスクールについても調べてみてください。
<参考・参照サイト>
[1] 「携帯電話の普及率の現状を詳しくさぐる(2020年公開版)(不破雷蔵)」(Yahoo!ニュース、2020/05/29)
[2] 「平成30年版高齢社会白書(全体版)」(内閣府)
[3] 「「2019 年 病院看護実態調査」 結果」[PDF](公益社団法人 日本看護協会 広報部、2020年3月30日、p.1)
[4] 「日本の観光統計データ」(日本政府観光局(JNTO)、2019年7月)
[5] 「平成 30 年版情報通信白書」(総務省)