土日休みの仕事をしたいなら!未経験でもシステムエンジニアを目指すべき

IT業界と聞いて思い浮かべることはどんなことでしょうか?

・毎日残業が当たり前で激務の職業

・土日祝日もなく自分の時間が確保できない職業

・健康障害や精神疾患になりやすい職業

このようなイメージを持たれている方も多いと思います。

確かに一昔前はこのような事例も多数ありました。

しかし、今では一般企業と同様、コンプライアンス順守化が進み、基本土日休みになっていることが多くなっています。

また、昨今の働き方改革も併せて残業時間も大きく縮小傾向になっています。[1]

某大手化学メーカーで社内SEを10年以上経験している私も、土日勤務の経験は1、2回とかなりのレアケースです。また残業もほとんどなくアフター5を確保できています。

今回は土日休みの仕事をしたい方になぜシステムエンジニアがおすすめなのか、ご紹介していきます。

システムエンジニアが携わる案件は大企業のプロジェクトが多い

IT技術は日々進歩しており、新たなシステム開発や古いシステムの更新など、システム案件の数はとどまることを知りません。

昨今はAI・ビッグデータ・デジタルトランスフォーメーションなど大企業を中心に新たな情報活用化プロジェクトも進行しています。

これら大企業の大型プロジェクトは全体工数も多く、またプロジェクトに関わる人も多くなります。

大企業はCSR(Corporate Social Responsibility)・コンプライアンスを重視しています。

過重労働による健康障害やうつ病などの精神疾患、また残業代未払いなどの事例はTV・新聞等のマスメディアで大きく報道される時代になりました。

これらの事例はクライアントや株主、従業員などの不利益を招き、世間の企業イメージを低下させるなど、会社の存続にまで関わる重大な問題です。

よって労働基準法などで厳しく規制されてはいますが、残念ながら違反企業や事例はまだ多く存在します。

この対策として厚生労働省は労働基準関係法令違反の事例をホームページ上で公開しており、いわゆる「ブラック企業」が社会に向けて公表されるようになっています。

そのため各企業はCSR・コンプライアンス対策として従業員やプロジェクト従事者の労務管理を非常に重視しています。

そして、その傾向は特に大企業に多く見られます。

以上のことから、大企業のプロジェクトでは、システムエンジニア/プログラマーの労務管理が徹底しており、過度な残業をすることはありません。

システムエンジニアは激務であるという一般的なイメージは昔の話であることがほとんどとなっています。

システム開発は原則法人向けのサービス

システム開発を行う企業は、主に法人向けのサービスを提供しています。よって、一般消費者向けの小売業やサービス業とは勤務形態が異なります。

そのためコンビニエンスストアのような24時間営業(勤務)の必要もないですし、レストランや美容室のように土日営業を行う必要もありません。

また、システム自体は24時間365日稼働しているものがほとんどではありますが、開発するシステムエンジニアはそれに合わせて勤務する必要はないのです。

これらのことから、原則月~金の勤務となっています。

私が社内SEとして10年以上勤めている某大手化学メーカーでは、日勤とシフトに勤務体系が分かれています。

なぜなら、実際のもの作りを行う工場は24時間365日フル稼働のためシフト勤務者が交代勤務を行うことで操業しているからです。

しかし、私のようなシステムエンジニアはシフト勤務ではなく月~金の週休2日制で勤務しています。

これは一緒に仕事を行うメンバーがシフト勤務者ではなく、シフト勤務者の上位にあたる生産管理部署や、販売を行う営業部署のメンバーであり、そのほとんどのメンバーが同じように月~金の週休2日制で勤務しているためです。

また社外のシステムメンバーと共同で仕事を行うこともありますが、同じように土日休みの勤務体系です。

したがって、システムエンジニアの土日出勤はほとんどありません。

ちなみに、社内SEの場合はクライアントも社内になることから納期やスケジュール管理が対社外に比べると格段に融通が利くため、ほとんど残業することなくアフター5の時間を確保できています。

土日やらなければならない仕事はない

今やIT産業は日本の重要産業で、ホワイトカラーと呼ばれる他の業界のように労働環境が成熟してきました。

月~金の平日日中帯勤務であり、土日は特別なことがない限り仕事はありません。

例えば、他企業のシステム化プロジェクトなどはシステムの仕様を決定するためにクライアントと何度も打ち合わせをするケースもあります。

そのクライアントのほとんどは月~金の平日勤務であるため、打ち合わせも平日に実施されることがほとんどです。

よって、クライアントに合わせて土日に仕事を行うといったケースは基本的にありません

NHK放送文化研究所が2016年2月に公開した「2015年国民生活時間調査報告書」によると、土曜日:34.9%、日曜日:23.5%の人が仕事を行っています。[2] 逆にいうと土曜日は6割強の方が、日曜日は8割弱の方がお休みなのです。

クライアントが休みであればシステムエンジニアも打ち合わせが行えません。このことから、システム業界でも土日休みの仕事が多くなっています。

ただし、土日に出勤するケースがないわけではありません。

例えばシステムのアップデート作業やリリース作業などは土日に行われることもあります。

これは一般的なシステムの利用者が多い平日を避け、土日の利用者が少ない時間帯にメンテナンス作業を行うためです。

ただ、これは年に1・2回のレアケースですし関係者全員が出勤するわけでもありませんので、土日に仕事をする例は極めてまれなケースとなります。

IT業界はいち早く業務効率化が進んでいる

昨今の「働き方改革」の推進には、ITツールの効果的な利用が必要不可欠です。

それらを開発・導入しているIT業界ではいち早く業務効率化が進んでいます。

私の職場でもWeb会議ツールの利用促進により、出張や客先へ出向いての会議などがWeb会議に置き換わることで、会議に付随していた移動時間などの無駄が大きく減少しています。

さらに新型コロナウイルスの影響からリモートワークの定着など、その流れは今後も加速していくことが予想されます。

これらITツールの活用は業務品質を下げることなく業務時間のみを減らすことができる有用なものです。

そのため、しっかり休める勤務体系が整備されることがますます期待されます。

最後に

いかがだったでしょうか?

システムエンジニアが実は土日休みが多く、夏季・冬季休暇などのまとまった休みがとりやすいことがおわかりいただけたかと思います。

また、システムエンジニアといわれていてもプログラマーやインフラエンジニア、社内SEやWeb系エンジニアなど、その職種はさまざまです。

企業や職種によってはフレックスタイム制や裁量労働制、在宅勤務など、さらにワークライフバランスを充実させることが可能な勤務体系を採用しているところもあります。

もちろんサービス残業やみなし残業などまだまだ法令遵守違反や働き方改革が進んでいない企業もありますので、システムエンジニアを目指して就職・転職をするときは事前に企業のリサーチを徹底するようにしましょう。

リサーチのポイントは企業のホームページはもちろん、「労務環境や社員満足度向上に向けた活動の評価」や「各種転職サイトの実際に働いている方の口コミ」などの当該企業が発信しているものではない第三者の意見を参考にするのがポイントです。

<参考・参照サイト>

[1]「日本の残業時間」定点観測データ、5年間の推移」(MANA-Biz マナビズ、2020.05.20公開)

[2]2015年国民生活時間調査報告書」[PDF](NHK放送文化研究所(世論調査部)、平成28年2月、(参考)付表 p.(9))

関連記事