【未経験者注目】転職のプロ直伝!ITエンジニアの年収アップ方法

どんな仕事であれ、働いている以上、年収アップを願うのは自然なこと。

もちろん、ITエンジニアとして働く人にも当てはまることです。

ただし、ITエンジニアという仕事には特殊な事情があり、システム開発経験を豊富に有していることが直接的に年収アップに繋がっているわけではありません。

それどころか、正しくキャリアステップを踏まないと、数十年経っても新卒社員と年収がほとんど変わらないというリスクさえある職種なのです。

特に未経験からITエンジニアに挑戦する場合、転職する会社や職種の選択を誤ると、年収面で大きなハンデを背負うことになってしまいます。

では、年収が上がらない人と上がる人では、いったい何が違うのでしょうか。

今回は、IT業界の転職エージェントとして100人以上の転職を成功へ導いた経験をもつ私から、ITエンジニアの年収がアップする方法をお伝えします。

方法1:市場で求められている技術を身につける

ITエンジニアが年収を上げるためにポイントとなるのが、「市場価値の高い技術を身につける」ことです。

どれだけ優れた技術を有していたとしても、その技術に市場価値がなければ宝の持ち腐れになってしまいます。

例えば、その優れた技術が既に過去のものとなり、当該技術を利用する案件が日本中どこを探しても見つからない状態では、そのような技術を保有する人材を欲しいと思う企業はないでしょう。

つまり、エンジニアが収入を上げる上で大切なのは、技術力の高さではなく、「市場で求められている技術を習得しているか」に尽きるのです。

では、世の中で必要とされている技術と必要とされていない技術とは、具体的にどのようなものでしょうか。

例えば、プログラミング言語については、以下の通りです。

【市場であまり必要とされていない言語の例】

COBOL金融機関や官公庁に古くからあるシステムでしか使われていない
RPGIBM独自の言語であり、IBMサーバ上でしか使われていない
VB、VBAマイクロソフトのOffice環境以外では使われていない

【市場で必要とされている言語の例】

PythonAIシステム開発やデータ分析において有効的に利用できる
Java企業の業務システム開発で最も多く使われている
PHP、RubyWebサービスの開発において多く使われている
JavaScript画面周りを開発するフロントエンド技術として使われている

もし未経験からエンジニアを目指すのなら、携わりたい仕事を具体的にイメージした上で、それに役立つと同時に市場価値の高いプログラミング言語を学びましょう。

また、最近ではクラウド上でのシステム開発の機会も増えてきました。

したがって、プログラミング言語以外にも、AWS(Amazon Web Services)やGCP(Google Cloud Platform)のようなクラウド技術を習得していると市場価値が高まります。

ただ、未経験の人にとって、どのような技術に市場価値が見込まれるのかを判断するのは簡単なことではないはずです。

そこでポイントとなるのが、転職サイトに掲載されている求人条件です。

転職求人に書かれている「必須要件」は、まさに今、市場で求められている経験です。

これを指標として習得を目指すスキルを選出すれば、高年収に繋がる技術を保有するエンジニアとして企業から重宝されるでしょう。

この際おすすめの転職求人サイトは、ベンチャー企業の中途採用で利用される頻度の高い「Wantedly」です。

ベンチャー企業が求めている経験は、世の中のニーズが高い最先端技術の蓋然性があるので、現在の技術トレンドを知るのに有用です。

上流工程の経験を身につける

システム開発には、上流工程と下流工程が存在します。

上流工程とは、お客様の要望を取りまとめて、どのようなシステムを開発するべきかを考える段階です。

下流工程では、上流工程で決まった要件をもとにプログラミングやテストをして、システムを作り上げる作業が行われます。

多くの場合、上流工程を担当する企業と、下流工程を担当する企業で役割が分担されています。

下流工程のエンジニアの年収が低い理由とは?

下流工程に携わっている限り、年収アップは狙えません。

その理由は、上流工程と下流工程の案件単価メカニズムにあります。

エンジニアがシステム開発の案件に入る場合、まず「1ヶ月あたりの単価」が設定されています。

上流工程を担当する企業のエンジニアは、1ヶ月あたり大体120万円〜200万円ほどの単価で案件に入ります。

しかし、これが下流工程を担当する企業のエンジニアの場合には、70万円〜100万円程度です。

さらに、場合によっては下請けという形式で仕事を受注する企業もあるので、さらに単価が安くなることも少なくありません。

そして、エンジニアの給与は、この単価によって決定されます。

エンジニアの単価から、会社を維持するにあたって必要な経費等が引かれた残高がエンジニアの給与として計上されるのです。

つまり、単価が高い方が給与も高くなりますし、低い単価で案件に入っている場合には、それ相応の給与にならざるを得ません。

例えば、1ヶ月あたりの単価が70万円に設定されるエンジニアの場合、最終的な給与は35万円程度、年収にして約420万円です。

この現状を打破するには、上流工程のエンジニアになるしかありません。

上流工程のエンジニアの年収が高い理由とは?

上流工程を担当するエンジニアの単価が高い理由は、「要件定義」や「基本設計」と呼ばれるプロジェクトの成否に関わる重要なタスクを担当しているからです。

技術的な難易度の高さ、一連の業務における責任の重さから、それに対する報酬は必然的に高くなります。

上流工程のエンジニアになる方法

まず、下流工程のエンジニアとして働く場合も、入社後に上流工程の経験を積むことができそうかを事前に確認する必要があります。

また、未経験からエンジニアに転職する人の場合は、ITスクールを上手に活用するようにしましょう。

ITスクールによっては上流工程から下流工程までを通して経験できるものがあり、中には疑似プロジェクト体験まで実施しているものもあります。

このような優れたサービスを提供するITスクールで学んでおけば、システム開発の一連の流れを理解していることを評価され、上流工程の案件を抱えている企業に入社できる可能性が高まります。

もちろん、中には上流工程ではなく、下流工程のスペシャリストとして長く開発力を高めていきたいという人もいるでしょう。

その場合は、先ほど説明したように、市場で求められている技術を高いレベルまで高めることが重要になります。

フリーランスエンジニアとして活躍する

フリーランスエンジニアとは、どの企業にも属さずに、自分がもつスキルのみで勝負をしているエンジニアのことを言います。

会社を通さずに自分で参加したいプロジェクトを見つけて受注する点に特徴があります。

企業に属さないフリーランスの場合は、受注単価がそのまま収入になります。

なぜなら、「会社の経費等」という概念がそもそも存在しないからです。

つまり、案件単価が1ヶ月70万円でも年収840万、1ヶ月200万円の場合には年収2,400万円という計算です。

「案件単価がそのまま収入になるのなら、フリーランスになった方が企業で働くよりも得では?」と思う人もいるでしょう。

しかし、現実はそう甘くはありません。

フリーランスは、自分のスキルを売り込む営業力が必要になりますし、保有するスキルが魅力的でないと企業から見向きもされません。

つまり、高収入を得られる反面、仕事が一切受注できないと収入がゼロになる可能性もあります。

実際に、スキルをほとんどもたずにフリーランスになり、初めは前職を超える月収で契約ができたものの、1ヶ月でプロジェクトを離れた後は仕事が決まらず、何ヶ月も収入ゼロが続いたというエンジニアもいるのです。

したがって、スキルが低いうちはフリーランスになることはおすすめしません。

将来的にフリーランスになって高収入を得たいのであれば、市場で求められる技術を高いレベルで身につけるか、上流経験を経験してから独立する道を検討しましょう。

最後に

今回は、エンジニアとして働く中で、年収を上げるための3つの方法を紹介しました。

どの方法を選ぶ上でも欠かせないのは、会社から言われた通りに案件に入るだけではなく、「将来なりたいエンジニア像を常に意識して、それに向かって努力を怠らない」ということです。

将来の理想像から逆算して、「今、どの技術を習得すべきなのか」「どのような案件に、どのようなポジションで入るべきなのか」を考えて行動しなければなりません。

エンジニアの年収は待っているだけで勝手に上がるものではありません。

年収を上げたいのであれば、どのようなエンジニアになりたいのかをしっかりと考え、今何をすべきなのかを考えましょう。

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