世の中には、客先常駐がメインの派遣プログラマーがたくさん働いています。
客先常駐をしている会社は、情報サービス全体の9割以上。
その中でも、客先常駐しているITエンジニアが7割以上いる会社は、情報サービス全体の約3割です。[1]
派遣プログラマーの多くは、最初のうちは
「ソフトウェアや業務ロジックの開発を通して社会に貢献したい!」
「お金を十分に稼ぎたい!」
と意気込んで仕事をします。
しかし、実際に業務に慣れていくにつれ、
「なんだか単純なコーディングやデータ入力ばかりで、貢献している実感がない…」
「毎日残業しているのに手取りが20万円…」
と意気消沈する人もいるのが現状ではないでしょうか。
「このままではスキルが身につかないかもしれない」
「5年後10年後には、単価の安い若手に取って代わられるのでは」
といった不安を抱えたまま、何年も働き続けるのはしんどいですよね。
派遣会社(自社)とはほとんどコミュニケーションする機会がなく、客先プログラマー用の教育ノウハウもないという状況では、八方ふさがりで絶望的に感じることもあるでしょう。
そこで今回は、「不満を抱えた派遣プログラマー」を脱却するための方法を紹介します。
まずは動きだすこと
厳しく感じる人もいるかもしれませんが、はじめに「必ず動きだすこと」を自分に誓いましょう。
他人は状況を変えてくれません。自分が行動して変わっていくしかないのです。
自分の市場価値を低く見積もらない、という勇気を持つことも必要です。
日々の仕事に没頭していると視野が狭くなってきていて、「私なんかの価値なんて…」と思ってしまうこともあるかもしれません。
でも、その心に負けないでください。
それなりの収入が見込めて自己成長もできる、そんなポジションは必ずあります。
「こうなったらいいな」と思うことを諦めずに、理想を目指して具体的なアクションを取っていきましょう。
派遣プログラマーを脱却する第一歩「現状を打開!」
具体的な行動に移せる解決策は、主に以下の4つが挙げられます。
①派遣会社と条件交渉をする
②転職サイトを見てみる
③独学でスキマ時間に勉強する
④ITスクールで勉強しなおす
現状が同じようなレベルであっても、行動できる人と行動できない人とでは、数年後に大きな差が出てきます。
ピンとくる方法は、すぐに試してみるのがカギです。
〔方法1〕派遣会社と条件交渉をする
派遣会社(自社)に連絡をとって、「今の客先よりスキルや金額の高いところに移れないか」と交渉することができます。
会社は多くのプログラマーを抱えているので、もしかしたらスルーされてしまうこともあるかもしれません。
しかし、連絡を取っていないなら取っていないほど、交渉してみる価値は大きいです。
「より高みに行きたい」と意思表示すると、わかりやすく熱意や向上心が伝わります。紹介される仕事の条件が徐々に改善され、希望の仕事を手に入れられる可能性が見えてきます。
まずは少しずつ、理想の仕事内容に近づくためのアプローチをしていきましょう。
また、会社と連絡をとったら、自分のスキルアップにさらに力を入れる必要があります。口先だけでなく「○○を勉強した」などの実績をつけると良いでしょう。
これにより、派遣会社としてもあなたという人材を売り出しやすくなります。
〔方法2〕転職サイトを見てみる
転職サイトに登録して、どんな求人があるのか観察してみましょう。
プログラマー向けの求人は、ネット上で多く募集されています。
スキルなどの条件が満たせず応募できないところ、今すぐ応募できそうなところを全体的にまんべんなくチェックすると、自分の現在の立ち位置を俯瞰で確認することが可能です。
漠然とした「給料を上げたい」「スキルアップしたい」という欲求から、「月給○○円に上げる」「○○をマスターする」「このサービスの開発に関わる」などの具体的な目標に変わっていきます。
すると、客先だけに全てを求めるのではなく、新しい視野でプログラマーという仕事を見つめなおすことができるでしょう。
〔方法3〕独学でスキマ時間に勉強する
スキマ時間に、客先の仕事以外の勉強をしてみましょう。
独学は、やる気さえあれば書籍やネット検索で簡単にできます。
英語が理解できる人は、海外のサイトを参考にすると最新情報を入手しやすく、学習の幅が広がります。
仕事以外でも勉強を進めてみることで自信につながり、客先に依存しないプログラマーに一歩近づくことができます。
ただ、独学は勉強方法から自分で決める必要があり、相応の努力や持続力が必要です。スキマ時間の独学に自身がない方には、次にご紹介するITスクールがおすすめです。
〔方法4〕ITスクールで勉強しなおす
独学で学ぶことが難しい方は、ITスクールで勉強しなおすのもおすすめです。
「スキルや経験がない状況では道が無い」「でも独学でスキルが身につくのか不安」と思うのであれば、IT教育のプロ集団を活用しましょう。
スクール内で同じ目標を持つ勉強仲間を見つけることができるので、モチベーション管理がしやすいのもメリット。
数多いスクールの中から、「現場経験のある講師がいる」「現場ですぐに活用できるスキルを学べる」環境を選ぶことが重要です。
収入UPを目指すなら、即戦力をアピールできるように、現場感覚とスキルを両方習得するように心がけましょう。
最近のスクールでは転職支援もセットになっていることが多いので、実績のあるスクールを探して相談してみるのも一つの手だと思います。
さらに上を目指して派遣プログラマーを脱却!
現状から脱却したい時は、どこへ向かいたいのかをはっきりさせる必要があります。
「スキルアップがしたい」「収入アップがしたい」という目標は、大きな指針のひとつです。
スキルと収入の両方を高めるためには、以下の2つの方法が挙げられます。
①派遣から脱却(転職)
②プログラマーから脱却(専門性の方向転換)
どちらも勢いと熱意がなければ難しいもの。
しかし、目標やなりたい方向性がはっきりしていれば、迷うことはありません。
〔方法1〕派遣から脱却(転職)
まずは、スキルと経験を積みにくい派遣プログラマーから脱却すること。
自社サービスの開発を行っている企業や大手システム開発会社へ転職することで、設計~実装までの総合的な理解を深めることができます。
転職先で働きながら知識を増やしていく中で、プログラマーとしてのスキルを突き詰めていくのか、マネジメントサイドにシフトするのかを選んでいくと、仕事の幅や可能性が広がっていきます。
上位職種のジェネラリストになっても、専門職種のスペシャリストになっても、どちらにしても収入はついてくるはずです。
〔方法2〕プログラマーから脱却(専門性の方向転換)
仕事内容が合っていないと感じている場合は、思い切って業務内容の方向転換をしてしまいましょう。システム開発からインフラへと方向転換してもいいかもしれません。
インフラであれば、押さえるべき基盤技術が確立されているので、早い習熟が期待できます。
それに加え、どのようなサービスにおいても利用されるものなので、スキルを活かしやすい点でも強みになります。
さらに、顧客との調整や提案などの業務も多いため、早い段階で設計や要件定義などの上流フェーズにもチャレンジしやすいです。
挑戦意欲の高い方は、新しい分野へ活躍の場を広げていきましょう。
最後に
あなたの将来を変えるチャンスはいたるところに眠っています。
収入やスキルを上げていくためには、いろいろな切り口から方法を探ることが大切です。
「これならできる!」と思ったら、「とりあえず登録する」「とりあえず本を買う」などのささいなステップで良いので、すぐに行動に移してみてください。
このまま不満を抱えながらやり過ごすのか、アクションを起こして将来を変えるのかは、あなた次第です。
未来の自分に「あの時動き出してよかった」と思ってもらえるような行動をとりましょう!
<参考・参照サイト>
[1] 「働き方・休み方改善ハンドブック(情報通信業)(分割版4)」[PDF](厚生労働省、p.7)