フリーランスになったら確定申告をしなければならない、と思い、どのようにして確定申告をすればよいのか困っているという話をよく聞きます。確定申告は、税理士などの専門家に外注することもできますが、費用もかかりますし、もし専門家に外注するとしても、自分で用意しなければならない書類もあります。
そこで、今回は確定申告についての流れをご紹介します。自分で確定申告を行う場合にも、税理士などの専門家に頼む場合にも、この流れにそって確定申告を行うことについては同じですので、ぜひ頭にいれておきましょう。
確定申告の流れ
確定申告の流れは、次のようになります。
①源泉徴収票など、確定申告に必要な書類を準備する。
②確定申告書AとBから、内容にあわせて確定申告書を選択し、準備する。
③確定申告書の申告内容によって、付表と計算書類等を準備する。
④申告書を作成する。
⑤提出する書類を確認する。
⑥申告書を提出する。
⑦納税する。還付の場合は還付をうける。
以上の流れを順番に解説していきます。
必要な書類の準備
確定申告に必要な書類を、事前に準備しておきます。
フリーランスでアルバイトやパートをしている、いくつかの会社をかけもちで働いている、といった場合には、給与所得の源泉徴収票を会社から交付してもらいます。この源泉徴収票は原本が必要ですので、交付してもらったら確定申告まで、大切に保管しておきます。
年齢が高いフリーランスの方の中には、年金などを受取っている方がいるかもしれません。このような方は、公的年金等の源泉徴収票や年金の支払金額などが分かるものが必要です。
医療費をたくさん払っていて医療費控除を受けることができる方は、医療費の領収書等も用意してください。ふるさと納税などの寄付を行った方は、寄附金の受領証があれば寄附金控除を受けることができます。
社会保険料、生命保険料、地震保険料を支払った場合には、それぞれ控除証明が送られてくると思いますので、確定申告のために保管しておきます。
申告書の準備
確定申告書には、AとBがあり、自分の申告する内容にあわせて選択します。確定申告書Aは、申告する所得が申告する所得が給与所得、雑所得、総合課税の配当所得、一時所得のみで、予定納税額のない方が使用するものですので、フリーランスの方で、自分で事業を行っているわけではなく、アルバイトやパートをかけもちしているという方については、Aを使用します。それ以外の方は、確定申告書Bを使用します。開業届をして自分で事業を行っている方は、確定申告書Bになります。
源泉徴収票などの添付書類は、添付書類台紙に貼って、申告書と一緒に提出します。
これらの書類は、税務署で入手できるほか、国税庁のホームページでダウンロードできます。
付表や計算書などの準備
申告内容によって、付表や計算書など準備します。
国税庁 確定申告の計算書などのダウンロードページ
医療費控除を受ける方の医療費などの領収書については、税務署では封筒として用意されています。
青色申告を行う場合には、所得税青色申告決算書が必要になります。損益計算書、減価償却費の計算書、貸借対照表を用意します。これらの書類は、確定申告用の会計ソフトを使用することで、1年間の記帳を行い、必要項目を入力することで、自動的に集計されます。
申告書の作成
確定申告書を、国税庁で配布している「確定申告の手引き」にそって作成していきます。
順序としては、
①住所、氏名などの記入
②収入金額や所得金額の計算
③所得控除の計算
④税金の計算
⑤そのほかの項目を記入し、申告書の第一表、第2表を完成させる
という手順となります。
書類の確認
確定申告書を提出するときに、源泉徴収票などの添付書類が必要になります。添付書類を添付書類台紙などに貼り、作成した確定申告書の内容と違っていないかを確認します。
申告書の提出
申告書は、2月16日から3月15日までの間に提出します。還付申告の場合は、2月15日以前に提出することもできます。
申告書の提出方法には、3つの方法があります。
①事業を行っている住所地などの所轄税務署の受付に持参する方法。税務署の開庁時間外の場合には、税務署に備え付けられている時間外収受箱へ投函することで、提出をすることもできます。
②郵便または信書便により、所轄税務署に送付する方法。収受日付けの収受印を押した確定申告書の控えが必要な場合には、確定申告書の複写のほかに、返信用封筒と切手を同封する必要があります。
③e-TAXで申告する方法。e-TAXであれば、確定申告受付期間中24時間、申告の送信をすることができます。申告書等も、「確定申告書等作成コーナー」で作成することができます。
納付または還付
確定申告で計算した税金を納付するために、3つの方法があります。納付期限が3月15日です。
①金融機関等で現金で納付する。現金と納付書を金融機関か所轄税務署の納税窓口に持っていき、納付する方法です。
②振替納税を利用する。振替納税を利用すると、口座からの引き落としで納付をすることができます。振替納税を利用するためには、「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を作成して提出します。
国税庁 預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書 ダウンロードページ
③e-TAXで納付する。e-TAXを利用して、インターネット上で納税手続きをすることもできます。
税金の還付を受ける場合には、申告書に金融機関の口座番号を記入しておきます。申告書に記載した口座に還付金が振り込まれます。
最後に
確定申告は、事前に書類を準備して、計画的に行うことが大切です。確定申告の相談は税務署で受け付けていますが、確定申告の期限ぎりぎりだと混雑します。どうしても自分で手続きを行うのは面倒だという方は、税理士などの専門家に依頼することもできます。
計画的に確定申告の準備を進め、しっかりと確定申告を行い、確定申告時期をのりこえましょう!